「食べる」にはトレーニングが必要です

「食べる」は、母乳を飲む時とは違う動きです。
母乳を飲むことは反射によるもので生まれながらにできますが、「食べる」という口の動きは学習して覚えなければなりません。
離乳は、「食べる」動きの練習期間。
赤ちゃんの口の発達に合わせて、「食べる」を促してあげることが大切です。

「母乳を飲む」と「食べる」、こんな風に違います

母乳

口を大きく開けてママのおっぱいに密着させ、「ぜん動様運動」という舌がうねるような動きで母乳を引き出します。

哺乳窩(ほにゅうか)に乳首をおさめ、舌を歯ぐきの少し先まで伸ばして乳首に密着。舌先を盛り上げて舌の波運動を開始する

舌の波が奥に進むにつれて乳首がしぼられ、乳汁がしぼり出される

舌の奥が下がるところに陰圧空間が形成され、そこからさらに乳汁が引き出される

食べる

唇で食べ物を感知して口の中に取り込み、唇を閉じて飲み込みます。
液体と固形物では、口の中の動きが異なります。

飲み物(液体)を飲む時

上下の唇でスプーンをはさみ込む

上唇が飲み物にふれると、上唇がすすり込むように動く

ひと口の量が入ると唇を閉じて、ゴックンと飲み込む

ペースト(固形物)を食べる時

下唇にスプーンが触れると、口に取り込む準備をする

上唇でペーストを口の中に取り込む

ペーストを舌の奥に送って飲み込む

「食べる」動きができるようになるには

離乳を始めたばかりの頃は、母乳を飲む口の動き(哺乳反射)がまだ残っています。

舌が時々前に出てきて、唇を上手に閉じることができません。
「食べる」動きができるようになるためには、唇を上手に使えることが必要。まず唇を閉じる動きを覚えることが第1歩です。
唇は食べ物や飲み物を判断するセンサーの役割を果たしていますが、唇を閉じないとセンサーがうまく働かないからです。

こぼすから、とスプーンを口の奥まで入れて食べさせていると、唇の動きのトレーニングができません。
スプーンを赤ちゃんの下唇にのせるように置き、赤ちゃんが唇で食べ物を取り込めるようにすること。
唇を使うことで、だんだん上手に閉じられるようになり、すすり込む・すぼめる・つぶすなど、さまざまな動きができるようになっていきます。

無理なく離乳をすすめるには、赤ちゃんの「食べる」口の動きに合った食べさせ方で、赤ちゃんの口の発達を促すことが大切です。

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