赤ちゃんの飲み物

大切な水分補給

大人に比べて体内の水分量が多い赤ちゃん。体重の約70~80%が水分です。しかも、赤ちゃんは新陳代謝が活発で汗っかき。また、腎臓機能が未発達で大人のように尿を濃縮させることができないため、尿としてたくさんの水分が排出されてしまいます。それだけに、赤ちゃんの水分補給はとても大切。こまめな水分補給をこころがけましょう。

赤ちゃんの水分補給のポイントは

赤ちゃんは自分で「のどが渇いた」と言えません。タイミングを見計らって、こまめに水分補給をすることが大切です。

赤ちゃんに適切な飲み物とは

離乳食開始前の赤ちゃんの場合、水分補給は母乳や育児用ミルクが基本です。母乳は欲しがるだけ飲ませます。育児用ミルクは、1日の規定量を基本としますが、水分不足が気になる場合は、多少オーバーして飲ませてもOKです。なお、湯冷まし(水を1度沸騰させて人肌くらいまで冷ましたもの)を飲ませると、お腹がいっぱいになって母乳やミルクを飲む量が減ってしまう場合があるので、あえてあげる必要はないとされています。

離乳食を始めるころになると動きも活発になってきますので、母乳や育児用ミルクのほかに、麦茶や湯冷ましなどを取り入れていくとよいでしょう。ただし、1歳未満の場合、麦茶や湯冷ましは、母乳や育児用ミルクの摂取量が減らない程度に飲ませることが大切です。授乳の前に水分を摂ってしまうと、母乳やミルクの飲みがにぶる原因になりますから、授乳の直前は避けましょう。

水分補給はこんなときに

1、普段の生活で

・おふろあがり
・散歩や外遊びの途中や後
・お昼寝などから起きた時
・暑いとき
・離乳食を食べるとき

2、こんな様子があったら

・たくさん汗をかいている
・泣いた後
・おしっこの量がいつもより少ない

下痢や嘔吐、発熱のあるときも、脱水症状を防ぐために水分補給が大切です。吐き気のあるときは、一度にたくさん飲むとまた吐いてしまうので、少しずつあげるようにします。小児科を受診しているときは、医師の指示に従いましょう。

ベビー飲料とは

赤ちゃんに合わせて作られているベビー飲料なら、手軽に飲ませることができます。普段の水分補給は母乳や育児用ミルクを中心としつつ、外出時や離乳食のときは市販のベビー用麦茶を飲ませるなど、じょうずに活用しましょう。

注意してほしい大人と同じ飲み物

【カフェインやタンニンが含まれるもの】
・ウーロン茶、緑茶、ほうじ茶
・コーヒー、紅茶、ココア

【糖分や浸透圧が高いもの】
・果汁100%ジュース
・乳酸菌飲料
・一般向けのイオン飲料

【赤ちゃんに不向きな成分が入っていないか要注意なもの】
・健康茶、ハーブティー
・ミネラルウォーター(硬水はNG)

コップ飲み・ストロー飲みの練習は?

「おっぱいを飲む」は生まれながらに備わった”反射”の働きですが、コップやストローで「飲む」には、練習が必要です。スパウトで水分を摂ることや、スプーンで水分、スープなどの汁物を飲むことに慣れてきたら、赤ちゃんの様子を見ながら始めてみましょう。

コップで飲むときは、大人がコップに手を添えながら飲ませて練習しましょう。コップをうまく持てずに落とすことも多いので、割れない素材のコップを用意すると安心です。

ストローで飲むときは、唇でストローをとらえて、口をすぼめることで口の中に陰圧空間を作り、その圧力で液体を引き入れます。ストローと唇の間にすき間があると陰圧がつくれず、上手に飲むことができません。最初は、飲み口で口をすぼめる練習をして、液体をすすりこめるようにします。これを繰り返すうちに、徐々に陰圧空間をつくれるようになり、ゴクゴクと連続して飲めるようになります。ストローも最初のうちは太いもので練習するのがおすすめ。徐々に細いストローでも連続して飲めるようになっていきます。

STEP1 スパウトで飲む → STEP2 スプーンで飲む → STEP3 ストロー・コップで飲む
保田典子
監修してくれた先生

保田典子

小児科 | 高円寺こどもクリニック院長
2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務等を経て現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

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