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なかなか眠れない……妊娠中の不眠。
そんな時の対策方法って?

あんな
今回のテーマは「睡眠」よ〜。妊娠すると、体の変化によって眠れない妊婦さんも多いみたい。おなかの赤ちゃんはもちろん、ママの健康のためにも睡眠はとっても大切。だからこそ、妊娠中の睡眠トラブルや、心地よく眠るためのコツなど、いろいろと助産師さんに教えてもらったわ〜。
ベッドで頭を抱える女性

教えてくれたのはこの方

坂田 陽子 先生
坂田陽子さん(看護師、助産師)葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務、延べ3000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は東京で「すみれ出張助産院」を開業している。
HP: https://sumire-josanin.com/

なかなか眠れない!?
半数近くが妊娠中、不眠に悩んだ!

Q妊娠中、不眠に悩んだことはありますか?

はい 47.8%

いいえ 52.2%

※アンケート:「妊娠中の不眠に関するアンケート」お子さんがいる女性278名に実施(2023年10月)


子どものいる先輩ママたち278名に、「妊娠中の不眠」についてのアンケートを実施したところ、半数近くが「不眠に悩んだことがある」と回答。「妊娠後期に腰痛がひどく、おなかも大きかったために寝返りもなかなかできず、睡眠不足でした」(42才/事物流系)、「後期になって足がつったりトイレが近くなったりしたので、なかなか寝つけなかった」(31才/パート)など身体的な要因から、「妊娠・出産のいろいろなことが不安で熟睡できなかった」(21才/主婦)、「初産の時は、子どもが無事に産まれてくるか、出産の痛みに耐えられるかどうかなど、すべてが不安になりなかなか寝つけなかった」(41才/パート)など精神的ストレスからくるものまで、不眠の理由はさまざまなようです。

そもそも妊婦さんは「不眠」になりやすい?

先輩ママたちも悩まされた「妊娠中の不眠」。そもそも、妊娠中は不眠になりやすいのでしょうか。助産師の坂田さんによると、不眠の原因には以下の妊娠における3つの変化が影響しているのだそう。

1.ホルモンバランスの変化

妊娠すると、ホルモンバランスが大きく変化します。特に妊娠初期は、プロゲステロンというホルモンが多く分泌されて基礎体温が上がり、寝苦しく感じたり、寝つきが悪くなったりすることがあります。

2.体の変化

おなかが大きくなってくると、仰向けでは眠れなくなったり、寝返りをすることも大変です。そのため、夜眠れたとしても、中途覚醒が多くなってしまいます。また、大きなおなかに膀胱が圧迫されて頻尿になったり、腰や下半身に負担がかかり腰痛やむくみ・こむら返りなどのマイナートラブルが起こりやすくなったりします。そのようなマイナートラブルから質の良い睡眠をとれないことも多いです。

3.精神面の変化

妊娠中は流産や早産の心配、赤ちゃんが元気かどうかなど、出産や育児に対する不安や緊張を感じやすいです。また、大きくなったおなかによって思うように動けず、ストレスを感じることも。そういった不安や緊張・ストレスから不眠になることもあります。

妊娠時期によって「睡眠」への悩みは変化する!?

睡眠の悩みは、妊娠初期から、中期、後期、そして産後まで、時期によって変化するみたい。では、それぞれの時期にどのような悩みが出てくるのか、坂田さんに解説してもらいました。

<妊娠初期>

妊娠初期はホルモンバランスが大きく変化する時期です。プロゲステロンというホルモンの作用によって体温が上昇し、寝つきが悪くなることがあります。また、プロゲステロンは眠気が強くなることが多いのですが、昼間に眠ってしまい、夜になかなか眠れなくなることも原因の1つです。ほかにも、妊娠による体の変化をはじめ、妊娠・出産・育児や仕事に対する不安、ストレスを抱えやすく、それらが解消されないと不眠になりやすい傾向があります。


<妊娠中期>

妊娠中期になると、体調が安定して過ごしやすくなる方も多いです。その一方で、大きくなってきた赤ちゃんの胎動を感じるようになり嬉しい反面、ベッドに横になると赤ちゃんがポコポコ動くのが気になって眠れない人もいます。また、中には妊娠中期から腰痛やこむら返りを経験される方も。寝返りをしようとすると腰の痛みを感じたり、睡眠中に突然こむら返りが起こり、その痛みで熟睡できないこともあります。


<妊娠後期>

妊娠後期になると、いっそう大きくなった子宮で肺が圧迫され呼吸が浅くなる、仰向けで眠れないといった理由で、睡眠の質が落ちることがあります。また、膀胱が圧迫されて頻尿になり、トイレのために起きる回数が増えます。さらに、妊娠による皮膚の強い痒みが起こり、眠れない場合も。精神面では、おなかの張りを感じるようになるにつれ出産に対する不安や緊張が高まり、眠れなくなることもあります。


<産後>

出産後しばらくは、赤ちゃんへの授乳はおよそ3時間おきです。そのうえ、授乳の前後におむつ交換をしたり、赤ちゃんにげっぷをさせてあげたり、ミルクをあげる場合は哺乳瓶を洗ったり、抱っこして寝かしつけをしたり……とまとまった睡眠時間を確保することが難しくなります。

助産師さんが教える!
妊娠中の不眠対策&パートナーのサポート

質のよい睡眠がとれないと、さらにストレスがたまり、ママにもおなかの赤ちゃんにも悪影響です。そこで、坂田さんが教える不眠対策を3つ紹介します。

ベッドで伸びする女性

1.自分に合った適度な運動

妊娠すると、流産や早産などを心配して安静にしてしまい、運動不足になる方もいます。この活動量不足が夜間に眠れなくなる原因のことも。妊娠中の激しい運動はNGですが、医師に禁止されていないようなら、日中に散歩をしたり、ヨガなど軽い運動を日常に取り入れたりしましょう。産院でマタニティヨガやエクササイズのクラスを行っていることもあるので、ぜひ情報収集してみてください。出産や育児は体力を使うので、適度な運動は体力を維持するためにもおすすめです。

2.寝る前のスマホやパソコンを避ける

妊娠中は調べたいことも多く、ベッドの中でも携帯やPCで検索しがちですが、寝る前にはできるだけスマホやパソコンの画面を見ないように心がけたいですね。

3.朝の決まった時間にカーテンを開け、太陽の光を浴びる

夜になかなか寝つけず、日中昼寝をしてしまい、昼夜逆転してしまう妊婦さんもいます。体内時計を整えるためにも、毎朝同じ時間に太陽の光を浴びるようにしましょう。

さらに、パートナーがママのためにできるサポートについても、坂田さんに教えてもらいました。

一緒にスマホを見るカップル

●話を聞く

不眠の原因となる不安や緊張・ストレスは、身近な存在であるパートナーに話を聞いてもらうことで自分の考えの整理ができたり、心が軽くなったりして解消されることも多いです。パートナーとの関係も深まり、「1人で抱え込まなくていいんだ」「一緒に乗り越えていける」と感じ、ママは安心して妊娠期間を過ごせたり、出産や育児へ前向きな気持ちになれます。

●腰や足のマッサージ

おなかが大きくなってくると、腰痛や足のむくみ・こむら返りなどの悩みが増えていきます。眠る前に、パートナーの大きな温かい手で腰や足のマッサージをしてもらうだけでも痛みや体の疲れが和らぎ、眠りやすくなります。また、手を握ってもらったり、おなかを触ってもらうだけでも、安心しリラックスすることができます。

足のマッサージ中のカップル

●夜の家事を担当する

夕食作り・食事の後片付け・お風呂の準備・洗濯物畳みなど、夜もやらなければいけない家事が続きます。しかし、眠る前まで慌ただしく過ごしているとリラックスできず、眠るモードになりません。就寝前はゆったり過ごすためにも、パートナーが積極的に家事を担当し、ママの負担を減らしてあげてほしいです。

    

妊娠中も心地よく眠るためのコツを教えて!

では、心地よく眠るコツはあるのでしょうか?今日から実践できる「質の良い眠り」のためのヒントを5つ、坂田さんに紹介してもらいました。

ベッドで眠る女性
    

1.抱き枕

おなかが大きくなり仰向けで寝ていると、動悸や吐き気、気分が悪くなるなどの症状(仰臥位低血圧症候群)が出ることがあります。抱き枕を抱きかかえるようにして左側を向き、右足を少し前に出して膝を曲げるような姿勢にすると、仰臥位低血圧症候群を防ぐことができ、安心して休むことができます。


2.入眠前の入浴

眠る時間の2時間前までにぬるめのお湯(38~40℃)に入浴すると、体がリラックスした状態になり、寝つきやすくなります。


3.呼吸法

鼻から息を吸いおなかを大きく膨らませます。それから口をすぼめてゆっくりと、吸う時の2倍の時間をかけて息を吐きます。そうすると体の余分な力が抜け、リラックスできるように。また、呼吸法は出産の際にも重要な助けになるので、そのための練習にもなります。ベッドに入ったら、目を閉じて呼吸法を行うことを毎晩の習慣にしてみてください。


4.アロマ

妊娠中、直接精油を皮膚につけるトリートメントは注意が必要ですが、芳香浴は行えます。リラックス効果の高い、好みの香りで眠る環境を作れるといいかもしれませんね。


5.音楽

寝る前にはスマホやパソコン、テレビも消して、リラックスできる音楽を聴きましょう。基本的には、好きな音楽を選ぶとよいですが、胎教を兼ねてクラシック音楽に触れてみるのもおすすめです。

マグカップを持つ妊婦さん
 

「寝なきゃ」と焦らず、マイペース&リラックスしながら夜を過ごしてみて!

あんな
あんな

睡眠不足はただでさえ健康を損ないやすいからこそ、妊娠中のママはおなかの赤ちゃんのためにもしっかり眠りたいもの。でも、「寝なきゃ」と焦ると余計に眠れなくなることもあるわよね。今日紹介したヒントやアドバイスを参考にしつつ、自分なりにリラックスできることをぜひ見つけてね〜!

     

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