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親になるタイミングでズレが生じる!?
その理由と解消法

あんな
妊娠期間を一緒に過ごしていても、ママとパパの間で、親になる実感には差があることが多いみたい。そこで今回は、その実態を調査。さらに、なぜ意識にズレが生じてしまうのか、すれ違いを解消するための方法を、夫婦の対話メソッド『夫婦会議®』の開発研究者である長廣さん夫妻にも聞いてみたわ〜。
見つめあうパパとママ

監修者プロフィール

長廣百合子さん(妻)・長廣遥さん(夫)
長廣百合子さん(妻)・長廣遥さん(夫)Logista株式会社共同代表。『夫婦会議®︎』開発研究者。8才長女と1才長男の2児の父と母。第1子誕生を機に、仕事と家庭の両立を巡る葛藤や夫婦のパートナーシップの危機に直面。同様に葛藤する子育て夫婦の力になりたい、子どもたちにより良い家庭環境を創り出してほしいという思いから、2015年に『夫婦会議®』を推進する子育て支援会社を夫婦で起業。開発した夫婦会議ツールのうち、夫婦で産後をデザインする「世帯経営ノート」は2019年にキッズデザイン賞を受賞。これまで16,000組を超える夫婦が夫婦会議ツールを活用している。
https://www.logista.jp

ママとパパではこんなに差が。
「親になる」と実感したのはいつ?

ママとパパに直撃!
妊娠〜産後に「モヤっ」と感じたことはある?

Q.ご自身またはママが妊娠してから、親になると自覚したタイミングは?
~ママの回答~

アンケート結果グラフ:ママ:ご自身またはママが妊娠してから、親になると自覚したタイミングは?

アンケート:20~40代のママパパ401名に実施。うちママ141名(2023年2月)

Q.ご自身またはママが妊娠してから、親になると自覚したタイミングは?
~パパの回答~

アンケート結果グラフ:パパ:ご自身またはママが妊娠してから、親になると自覚したタイミングは?

アンケート:20~40代のママパパ401名に実施。うちパパ260名(2023年2月)

先輩ママ・パパ401名に「親になると自覚したタイミング」についてアンケートをとったところ、ママは「妊娠がわかった時」が4割以上と断トツで、早くから親になる自覚が芽生えている様子。一方で、パパは「子どもが生まれてから」が最も多く、やはりママとパパでは自覚するタイミングに大きなズレがあることがわかりました。

そのせいか、「妊娠~産後の生活の中で、パートナーや夫婦間でモヤっと感じたことはありますか?」という質問にも、ママの70%以上が、パパも半数以上が「はい」と答える結果に・・・。

Q.妊娠~出産の生活の中で、パートナーにや夫婦間でモヤっと感じたことはありますか?
~ママの回答~

アンケート結果グラフ:ママ:妊娠~出産の生活の中で、パートナーにや夫婦間でモヤっと感じたことはありますか?

Q.妊娠~出産の生活の中で、パートナーにや夫婦間でモヤっと感じたことはありますか?
~パパの回答~

アンケート結果グラフ:パパ:妊娠~出産の生活の中で、パートナーにや夫婦間でモヤっと感じたことはありますか?

モヤっと感じたことから「夫婦間の意識のズレ」に発展することもあるだけに、見過ごせない結果です。

実はこう思ってたの!?
ママ・パパそれぞれの意見とは

では、実際にママ・パパは妊娠〜産後の時期に、どんな点で意識のズレを感じたのでしょうか?

つわりがつらくても家事をどうにかやっていたのに、家事を普通にすることが当たり前だと思われていた。(40代/ママ)

家族が増えるのに、金銭面もプライベートも今までと変わらない生活を続けることにズレを感じた。(30代/ママ)

妊娠中、お腹が大きくなりきつくても、栄養バランスのために毎日頑張ってごはんを作っていましたが、『作らなくていいから、俺はコンビニの弁当でいいよ』と言われた時に、妊婦に必要なものは全然わからないんだと思いました。(40代/ママ)

子供の世話を手伝うという感覚でやっていること。(30代/ママ)

妻のつわりを理解することができなかった。(30代/パパ)

仕事の忙しさは妊娠中も同じなので、妻の仕事に対する理解を得るのが難しかった。(40代/パパ)

つわりで体調が悪い時に積極的に手伝おうとしたのですが、妻の思い描いたように家事をこなせなかったため、かえって怒られてしまったことでモヤっとしました。(30代/パパ)

仕事や家事、育児、プライベートの過ごし方、金銭面など、さまざまな面でズレが生じている模様。とはいえ、妊娠による心身の変化が顕著なママに比べて、身体に変化のないパパは実感が湧きにくいのも確かです。ゆえに、ズレが生じるのは自然なことなのかもしれません。

妊娠〜産後は、ふたりの考えや行動に
“ズレ”が生じやすいタイミング!

話合うママとパパ

夫婦関係のエキスパートであり、夫婦の対話メソッド『夫婦会議®』を開発した長廣さんご夫妻も「妊娠〜産後の夫婦間にはズレが生じるもの」と断言します。

妊娠前は、例えすれ違ったとしても、時間的にも金銭的にも修復する心のゆとりがあります。しかし、夫・妻という関係に父・母という“親としての役割”が加わる妊娠〜産後は、ゆとりを失いがち。夫婦間の協力体制に関わる大切な話が疎かになり、家事や育児、仕事、お金、住まい・・・と、日常のあらゆる面でお互いの考え方や行動にズレが生じやすくなります。(遥さん)

この時、絶対にNGなのが「生じたズレを放置する」ことです。
妊娠〜産後という心身ともにデリケートな時期に、我が子の健康や命に影響するような大事なことをひとりで考えて決断しなければいけない=“思考のワンオペ”状態が続いてしまうと、いくら強メンタルなママでも心が折れてしまいます。そこから、「仕事と家庭の両立の危機」はもちろん、産後うつ・虐待などの「命に関わる危機」や、産後クライシス・離婚などの「家庭崩壊の危機」に発展することもあります。(百合子さん)

それらの危機を回避するためにも、ママとパパの意識のズレが大きくなる前に、お互いの考えを共有し合い、「“わたしたち”の答えをつくること」が重要なのだそうです。

大切なのは、ふたりの対話。
“わたしたち”の答えを導き出そう

お茶をのみながら話合うママとパパ

では、“わたしたち”の答えをつくるためにはどうすればよいのでしょうか。長廣さんご夫妻によると、大切にしたいのは「対話」だそう。

“わたしたち”の答えをつくり出していくために開発したのが『夫婦会議®』で、「対話」をゴールに据えています。では「対話」とはなにか。夫婦間で価値観が同じこともあれば、違うこともありますが、その違いを尊重し、互いに納得のいく結論を導き出すコミュニケーションを「対話」と定義しています。ただし、いきなり「対話」をしようとするのは至難の業。まずは、おはよう・ありがとうなどの挨拶や、気軽なおしゃべりである「会話」から始め、互いに意見を出し合う「議論」を経て、“わたしたち”の答えをつくる「対話」へとステップアップしていくことをおすすめします。(遥さん)

やみくもに話し合って夫婦関係そのものを諦めてしまう人は少なくありません。また、最初は笑顔で始まった話し合いでも、ゴール設定が曖昧だと、喧嘩に突入したり集中力が切れてしまったりして「上手くいかない話し合い」が繰り返されることも。妊娠〜産後の時期は、ちょっとしたことから大切なことまで「話し合いたくなること」が出てくるものです。議題によっては“わたしたち”の答えに行き着くまでに時間がかかるかもしれませんが、そんな時は別日に持ち越してじっくりと話し合うことも視野に入れてみてください。結論を急がず対話を重ねれば、ふたりが納得いく“わたしたち”の答えを導き出せるようになりますし、何より夫婦の信頼関係が深まります。ぜひ『夫婦会議®』で夫婦の「対話」を楽しんでくださいね。(百合子さん)

お茶をのみながら話合うママとパパ

ママとパパの対話が当たり前になれば、妊娠〜出産、そして産後を穏やかに過ごすことができ、新しい生活に向けての準備も安心して整えられそうですね!

ズレが発生するのは自然なこと。そこからの対話が大切よ〜

あんな
あんな

ママもパパも十人十色。人によって考え方や環境もさまざまよね。だからこそ、ズレが発生した時は、お互いの価値観をしっかり尊重したいところ。まずは、それぞれが自分の気持ちや考えを伝え合い、対話を通じて、これからの生活がより良いものになるような“わたしたち”の答えをつくっていってちょうだい!

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